AI入門ガイド
AIベンチマークの読み方:MTGBenchと5プロンプトテスト
リーダーボードの順位はタスクに依存する。MTGBench(EMNLP 2026)が示したことを見て、自分のプロンプト5つを2つのモデルで実行し、タスクあたりのコストを比較しよう。

リーダーボードを開き、モデルAがモデルBより上にあるのを見て、Aを選ぶ。ところがAはあなたのタスクでつまずき、Bはつまずかない。壊れているわけではない。順位は他人のタスクでの平均であり、あなたのタスクは彼らのものとは似ていないかもしれない。修正は簡単だ。自分のプロンプトを5つ選び、2つのモデルで実行し、回答を読んで、それぞれがタスクあたりいくらかかったかを比較する。このページの残りでは、新しい論文を例に、なぜそれがうまくいくのかを示し、スクリプトを提供する。
なぜ順位は判定ではないのか#
その論文はMTGBench: A Multi-Turn Game Benchmark for Diverse LLM Capability Assessmentで、Findings of EMNLP 2026に掲載された(2026年10月29日確認)。著者らは16のフロンティアモデルを7つのゲームで評価し、主な発見の一つは、モデルのランキングはタスクに大きく依存するということだ。別のゲームに移れば順序は変わる。
さて、一番上に単一の平均値があるリーダーボードを考えてみよう。平均はゲームを隠す。あなたのタスクがモデルの得意なゲームに似ていれば、あなたの勝ちだ。似ていなければ、読んだ数字は別の何かについてのものだった。
自分で試す試してみよう:リーダーボードでモデルAがモデルBより上にある。最初に尋ねるべき質問は何か?答えを表示
尋ねよ:どのタスクで上なのか? MTGBenchではランキングはタスクとともに変わるので、一つの総合順位はあなたのケースについてほとんど何も語らない。タスクごとのスコアを探し、あなたのものに最も似たタスクを確認せよ。
7つのゲームとは#
ゲームはWord Chain、Wordle、20 Questions、Wheel of Fortune、Situation Puzzles、20 Features、Aliasである(名前はGitHubのプロジェクトREADMEより、2026年10月29日確認)。これらはマルチターンであり、モデルは一度答えるのではなく、プレイする。推測し、フィードバックを得て、また推測する。Wordleが分かりやすい例だ。単語を提案し、どの文字が合うかを学び、再び試す。
設計には自分のテストに取り入れる価値のある点が2つある。
第一に、誰が答えを検証するか。4つのゲームは通常のコードで採点される。残りの3つは制約付きLLMをルール執行者として使い、著者らはそれを人間のアノテーターに対して検証した。常に誰かが何を正解とするかを決めなければならない。あなたのミニテストでは、その誰かはあなた自身だ。
第二に、言語。スイートは英語とロシア語のバイリンガルで、エピソードは翻訳ではなく各言語でネイティブに生成された。著者らはまた、ロシア語について報告された476セッションの人間ベースラインを収集した。彼らの要約によれば、最も強力な推論対応モデルはスイート全体でそのベースラインに匹敵するか上回る。
フラッシュカード
ベンチマークの記事で出会う言葉
カードをタップしてめくる

スコアが教えてくれないこと#
どう尋ねるかを教えてくれない。 MTGBenchは3つの設定を比較する:回答のみ(デフォルト)、思考の連鎖、ネイティブ推論。著者らは、CoTは文字レベルのゲームにはほぼ必須だが、知識駆動型のゲームではむらのある利益しかもたらさないと報告している。つまり同じモデルでも尋ね方によって見え方が変わる。テストするときは、最も難しいプロンプトを両方の方法で試そう。
考えるコストを教えてくれない。 声に出して考えることはモデルが書くテキストであり、書かれたテキストは出力、つまり請求の高い側だ(詳細は入力トークンと出力トークンと推論の労力と思考トークン)。600トークンのプロンプトがCoTなしで100トークンの回答、CoTありで600トークンの回答を得るとしよう。DeepSeek-V4-Flashではリクエストあたり$0.000019対$0.000069だ。少額だが、1日に何千ものリクエストを送るまでは。
あなたの言語について教えてくれない。 MTGBenchはエピソードを翻訳するのではなく英語とロシア語でネイティブに構築する。それ自体がヒントだ:言語はタスクの一部である。ユーザーがロシア語で書くなら、5つの中にロシア語のプロンプトを入れよう。
5プロンプトテストを実行する#
APIはOpenAI互換なので、1つのスクリプトでどのモデルでも実行でき、変わるのはモデルIDだけだ(IDはドキュメントにある)。
ステップバイステップ
4ステップで自分のミニベンチマーク
5つのプロンプトを選ぶ
仕事から5つの実際のリクエストを取る。易しいものと難しいものを混ぜ、正解が「これだけでは分からない」であるものを1つ加える。prompts/1.txt … prompts/5.txtとして保存する。
2つのモデルで実行する
スクリプトは各回答をfinish_reasonとともに、モデルごとのトークン合計を出力する。lengthが表示されたら、回答はmax_tokensで切られた:それを上げよ(回答が切れる理由を参照)。
import os
from openai import OpenAI
client = OpenAI(
base_url="https://api.cheaptokens.dev/v1",
api_key=os.environ["CHEAPTOKENS_API_KEY"],
)
models = ["deepseek-ai/DeepSeek-V4-Flash-0731", "zai-org/GLM-5.3-Flash"]
prompts = [open(f"prompts/{i}.txt").read() for i in range(1, 6)]
for model in models:
tin = tout = 0
for i, prompt in enumerate(prompts, 1):
r = client.chat.completions.create(
model=model,
messages=[{"role": "user", "content": prompt}],
max_tokens=2000,
)
tin += r.usage.prompt_tokens
tout += r.usage.completion_tokens
print(f"--- {model} / prompt {i} / {r.choices[0].finish_reason}")
print(r.choices[0].message.content)
print(f"=== {model}: {tin} in, {tout} out")回答を自分で採点する
各回答に0(誤り)、1(編集すれば使える)、2(良い)を与える。10の回答、1枚のシート。ここではあなたが検証者なので、コストを見る前に採点する。
トークンをタスクあたりのコストに変える
スクリプトの合計をコストタグに入れる。スクリプトがDeepSeek-V4-Flashで入力3,000、出力1,500を出力したとしよう:それは5タスクすべてで$0.0002だ。1タスクあたりは5で割り、2番目のモデルでも同じことをする。

下の表は同じ例、入力600トークン・出力300トークンの5リクエストを、当社のすべてのモデルで示し、参考としてOpenRouterを並べている。入力と出力は合算され、合計は各行でOpenRouterより低い。
| モデル | 入力 $/1M | 出力 $/1M | リクエストあたり | 5 リクエスト | OpenRouter、5 リクエスト |
|---|---|---|---|---|---|
| GLM-5.3-Flash | $0.02 | $0.04 | $0.000024 | $0.00012 | $0.00024 |
| DeepSeek-V4-Flash | $0.015 | $0.10 | $0.000039 | $0.0002 | $0.00038 |
| MiniMax-M2.7 | $0.05 | $0.15 | $0.000075 | $0.00038 | $0.0027 |
リクエストあたり 600 入力トークンと 300 出力トークン。100万トークンあたりの価格は現行のもので、当社の料金体系に合わせて変動します。OpenRouter 列は同じワークロードの参考価格を示しています。
10点中9点をわずかなコストで取るモデルは、10点中10点を数倍の価格で取るモデルに勝る。そして今、自分がどちらのケースにいるかが分かる。料金ページには残りのモデルの最新の数字があり、DeepSeekページは長い回答(最大32,768出力トークン)を扱っている。プロンプトが段階的な出力を必要とするなら。
5つのプロンプトに入れるもの#
正しい5つは、何を作るかによる。自分のケースを選ぼう。
ケースを選ぶ
どのプロンプトをテストに入れるか?
オプションを選択して答えを表示
サポートボット
5つの実際の顧客メッセージを取る。怒ったメッセージを1つと、ボットに情報がないものを1つ含める:正解は「分かりません」であり、多くのモデルは代わりにでっち上げる。事実だけでなく、口調と誠実さを採点する。
要約ツール
実際に送る長さの5つの実文書を取る。各要約をソースと照合し、存在しない事実がないか確認する。入力トークンにも注意:長い文書は入力側を請求の大きな部分にする。
コードヘルパー
自分のリポジトリから5つの小さなバグを、それぞれ失敗するテストとともに取る。検証者はテストだ:提案された修正を実行し、通れば2点。最も難しいバグのCoT版を加える。
ロシア語での回答
5つのプロンプトすべてをロシア語で、自分の分野の実際の語彙で書く。MTGBenchが言語ごとにエピソードをネイティブに生成するのはこのためだ:翻訳されたタスクは別のタスクである。
数字が出たら、AIモデルの選び方が残りの決定に役立つ:コンテキストサイズ、出力長、そして2つのモデルが引き分けたときにどうするか。



